リンテック、接着剤を一切使用しない、太陽電池用バックシート製造技術を開発

 リンテックグループは、多層構造の形成に接着剤を一切使用しない太陽電池用バックシート(裏面保護部材)の製造技術を新たに開発し、各層の構成材料も全面的に見直し、より耐久性の高い「Reflekt(リフレクト)」シリーズとして、この6月13日に発売したと発表した。

 同社では、フッ素フィルムとPETフィルムを貼り合わせた他社品とは異なり、PETフィルムにフッ素系特殊コーティングを施し、最外層とすることで高い耐久性を実現した独自設計のバックシートを「Protekt(プロテクト)」シリーズとして世界展開している。
 同製品は、太陽電池パネルの封止材(密着面)と同素材のEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)フィルムを内側に貼り合わせることで、パネルとの密着性を付与していた。

 今回、この密着性を付与する層を、EVAフィルムの貼り合わせではなく、特殊樹脂を直接押し出すことで形成する新規技術を開発。接着剤層のない新設計のバックシートとして発売した。

 接着剤を用いて各種フィルムを貼り合わせた構成となっている一般的なバックシートは、フィルムの収縮や接着剤の特性によって、フィルム層間で浮きが発生するなどの不具合事例があったが、「Reflekt」シリーズは、こうしたバックシートの劣化要因の一つである接着剤を一切使用せず、特殊樹脂層をPETフィルム上に直接形成する独自の製造技術を用いており、その信頼性を格段に向上させた次世代型のバックシートとなっている。

 同製品の特徴は以下の通り。

○長期間の使用に伴う、フィルム層間の浮きなどの不具合要因となる接着剤層を完全になくすことで、バックシートの耐久性、長期信頼性をさらに高めた。

○最外層側のコーティング剤の処方を見直すことで、PETフィルムの劣化要因となる紫外線に対する耐性をさらに向上させた。

○ベースフィルムに耐久PETフィルムを採用した「Reflekt」と、高耐久PETフィルムを採用した「Reflekt Prime」の2アイテムをラインアップ。パネルメーカー各社の長期信頼性へのニーズにきめ細かく対応する。

○光の反射率(白色度)をさらに向上し、優れた発電効率を発揮する。