NTTファシリティーズ、多種多様な太陽電池を導入した太陽光発電実証サイトを構築

 株式会社NTTファシリティーズが、北杜市の協力を得て、山梨県北杜市長坂町塚川地区及び夏秋地区において、太陽光発電システムインテグレーターとしての技術・知見取得を目的に、太陽光発電実証サイト「Fソーラーテクノパーク(仮称)」を構築すると発表。
 システムインテグレーターによる、多種多様な太陽電池を導入した屋外太陽光発電システム実証施設の構築・運用は、世界的に類を見ない取り組みとのこと。

 同社発表のFソーラーテクノパーク(仮称)の概要は以下の通り。

 設置場所は、太陽光発電にとって重要な日照時間が国内有数の山梨県北杜市であり、隣接する北杜サイト太陽光発電所*3とともに、最先端の太陽光発電システムのノウハウを蓄積する世界的な実証サイトとしてのポジションを目指します。2011年度構築する規模は240kWであり、その後必要に応じて設備を拡張していきます。最終的なシステム規模は2MW程度を想定しています(約4万m2)。
 「Fソーラーテクノパーク(仮称)」は、①モジュール評価エリア、②架台検証エリア、③設計技術検証エリアに分けて設備を構築し、各種技術を実証します。

①モジュール評価エリア:多種多様な太陽電池モジュール及びシステム評価

これまでNTTファシリティーズは、NEDO委託事業において9ヵ国27種類の太陽電池モジュール*4を評価してきました。しかし、評価した太陽電池は約4年前の製品であり、現在とは世界シェアも変換効率も大きく変化しています。そこで、モジュール評価エリアでは新たに国内外4ヵ国16種類の最新太陽電池を導入し、長期的に運用評価することにより、太陽電池の各種特性(発電特性、劣化特性等)を実環境において明らかにします。また、技術進歩に追従するため今後、最新の太陽電池を追加導入し、世界最先端の太陽電池モジュールの実証評価を行います。

②架台検証エリア: 先進的な架台の検証

架台検証エリアでは、独自に開発した地盤沈下対策架台、手動式傾斜角可変架台などを設置評価します。地盤沈下対策架台は、地盤沈下に合わせて架台レベルの調整が可能なジャッキアップ機構により、設置困難な軟弱地盤への太陽光発電導入に貢献します。手動式傾斜角可変架台は、季節別に傾斜角を手動で変更した場合の年間発電性能、運用性を評価し、その特性を把握することで大規模太陽光発電への展開を目指します。

③設計技術検証エリア:最適なシステム設計に向けた技術検証

設計技術検証エリアでは、太陽光発電システムの設計・運用に関する検証、評価を行います。設計については、太陽電池の結線方法や太陽電池・パワーコンディショナー*2のマッチングによる発電特性への影響を評価することにより、これまで以上に最適なシステム設計技術の確立を目指します。また、運用については、不具合の早期発見と復旧を実現するため、現場での不具合対応方法の検証や不具合発生時における発電特性を明らかにすることにより、不具合対策に関する知見を蓄積します。