シャープ、エネル・グリーン・パワー社と共同でイタリアの5ヶ所の太陽光発電所を稼動開始

 シャープは、エネル・グリーン・パワー社(以下、EGP)と合弁で2010年7月に設立した太陽光独立発電事業(IPP)の「Enel Green Power & Sharp Solar Energy S.r.l.(以下、ESSE)」が、イタリアで5ヶ所(合計約14.4MW)の太陽光発電所を2012年3月末より稼動開始したと発表した。

 今回稼動した5ヶ所の太陽光発電所では、2011年12月に稼動した同社、EGP、STマイクロエレクトロニクス社の3社の薄膜太陽電池生産の合弁会社「3Sun S.r.l.」で一貫生産した薄膜太陽電池モジュールを採用している。
 5ヶ所の合計太陽電池設置容量は約14.4MWで、年間予測発電量は、イタリアの一般的な家庭の年間消費電力量の約7,200世帯分に相当する年間1,950万kWhとなり、約1万トンのCO2排出削減に貢献する。

 薄膜太陽電池は、省資源で生産工程が短く、長期信頼性が高いことに加え、高温地域での発電能力に優れていることから、グローバルにメガソーラー用途として期待されている。EU(欧州連合)では、最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合が2050年に少なくとも55%以上になると試算しており、日照時間が長く、日射量が多い地域での大規模太陽光発電所の設置は拡大する見込み。

 ESSEは、今後2016年末までに累計500MW以上の規模となる複数の太陽光発電所の建設を予定しており、今回5ヶ所の稼動により、イタリアで合計6ヶ所(約20MW)の太陽光発電所の商業運転を実施いる。
 今後、イタリアで生産した薄膜太陽電池モジュールの強みを活かせる地中海地域を中心に、欧州、中東、アフリカで発電事業を展開していくとのこと。