住友電工、集光型太陽光発電装置を用いた大規模蓄発電システムの実証運転に着手

 住友電気工業株式会社は、世界最大規模のレドックスフロー電池と、国内最大規模の集光型太陽光発電装置等から構成されるメガワット級蓄発電システムを開発し、同社横浜製作所において、実証システムの建設に着手し、今年 7 月より運転を開始する予定と発表した。

 同社では、昨年 6 月から、同社大阪製作所において、自社開発の集光型太陽光発電装置(CPV)を含む複数の自然エネルギー発電装置と小型レドックスフロー電池(蓄電池)等を直流電力ケーブルで連結したマイクロスマートグリッドシステムの実証試験を実施している。同システムは、エネルギーマネジメントシステム(EMS)によって、太陽光や風力など不安定な再生可能エネルギーと、照明や家電製品など比較的小規模な電力負荷を管理し、特に一般消費者の視点側から、安定的且つ効率的な電力制御を実現する取り組み。

 一方、工場や企業などの大規模需要家における再生可能エネルギーの積極的な活用や省エネルギーに対する社会的要請も増しており、こうした大規模電力システムにおける機器やシステムの開発、製品化を加速するべく、メガワット級の容量、出力を有する、レドックスフロー電池、CPV を組み合わせた大規模蓄発電システムを開発し、横浜製作所で実証運転を行うことにしたとのこと。

 今回開発されたメガワット級蓄発電システムは、再生可能エネルギー源としての合計 28 基の CPV(最大発電量 200kW)と夜間電力や CPV 発電電力を貯蔵するためのレドックスフロー電池(容量 1MW×5 時間)から構成され、外部の商用電力系統とも連系する。
 エネルギーマネジメントシステムによる、①レドックスフロー電池の充放電制御による工場の受電量の一定化、②天候に左右される CPV 発電量をレドックスフロー電池で補う ことによる太陽光発電の計画運用等について検証を進めていく。

 また一般的な蓄電池の機能として、横浜製作所におけるピークカット運用(最大 1MW のデマンド抑制)や予め設定したデマンドスケジュールとなるよう、電力負荷に応じた放電量の調整も行う予定。