NEDO、インドの産業大動脈地域でメガソーラーを利用した技術実証
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、同機構とインド財務省、新・再生可能エネルギー省(MNRE)およびデリー・ムンバイ産業大動脈開発公社(DMICDC)が、4月30日、同国ラジャスタン州ニムラナ工業団地で大規模太陽光発電システムを利用した技術実証事業を行うことで合意、覚書(MOU)を締結したと発表した。
デリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC)地域の総合開発を共同で進めることで合意しているが、このプロジェクトは初の技術実証事業となる。大規模太陽光発電等によるマイクログリッドシステムを構築、再生可能エネルギーの供給を実現するとともに、現状の不安定な電力供給の改善を目指す。
MOUは、インド・ニューデリーにおいて開催された第2回日印官民政策対話の中でNEDOから報告し、また、枝野経済産業大臣とシャルマ商工大臣の立ち会いの下、NEDO古川理事長とDMICDCカント総裁が調印した。
インドでは、経済発展に伴い電力供給不足が顕著となっており、その電力需要は2030年には2005年の約3倍に増加すると予測されている。インド政府は再生可能エネルギーの導入促進計画として、2009年末にJawaharlal Nehru National Solar Mission (JNNSM)を発表した。この計画は、2022年までに20GWの太陽光発電を導入するために有効な政策を構築するとしており、今後10年にわたり大規模な太陽光発電市場が形成されることが期待されている。他方、インドの工業団地に入居する企業においては、工場の安定操業に適した安定電力のニーズが増している。
こうした背景の中、同事業ではラジャスタン州ニムラナ工業団地に6MWの太陽光発電システムを設置し、さらに太陽光発電システムと複数のディーゼル発電機とを連携したマイクログリッドシステムを構築し、工業団地に入居企業および電力系統に対してクリーンでかつ安定した電力を供給するシステムの技術実証を行う。これにより、日本のマイクログリッド技術の有効性を実証し、同国での普及を目指す。
同事業は、MNREが進める太陽エネルギー普及政策においても特別プログラムとして認定されており、両政府の支援を得つつ本事業を実施していくこととなる。
同事業の概要は以下の通り。
事業期間(予定):
2012年度〜2014年度
予算規模:
約41億円(内、NEDO負担: 28億円以内)
委託先:
日立製作所、伊藤忠商事、日立プラントテクノロジー、日立システムズ
実証項目:
(1) クリーンかつ経済的な電力安定供給を行う事による技術的・経済的有効性
(2) マイクログリッド制御技術による省エネ
(3) 日本の最新の太陽電池パネルの有効性