ルネサス、太陽光発電システム用インバータに適した高電圧用安全規格対応のフォトカプラを発売

 ルネサス エレクトロニクス株式会社は、産業機器向け商用最大電圧である690V電源のインバータや高電圧1000Vの太陽光発電システムのインバータ用フォトカプラとして、感電等を防止する絶縁のため、安全規格(IEC61800規格)に準拠する外形14.5mmの長沿面距離を実現したフォトカプラ「PS9905」を製品化したと発表した。

 同製品は、(1)インバータを構成するIGBT(パワー半導体)駆動用のデバイスとしては、 業界初の長沿面距離14.5mmを実現し、絶縁電圧も 7500Vrmsと高いため、690V電源の産業機器でIEC61800規格に準拠した強化絶縁に適用できる。
 さらに、(2) IEC61800規格準拠のために、同社従来の沿面距離8mm品を2個必要とされていた部分が新製品1個ですむこと、および新規開発の表面実装8ピン小型パッケージを採用したことにより、実装面積を同社従来比で約30%削減可能で、インバータ回路の高電圧化や小型化に貢献する。

 同時に、機器内部通信向け10Mビット/秒の高速フォトカプラとして、14.5mmの長沿面距離を実現した「PS9924」も製品化されている。10mm以上の長沿面距離製品では業界最高クラスの低消費電力を実現しており、高絶縁耐圧が要求される機器の低消費電力化が図れる。

 これら2つの新製品は量産が開始されており、2012年末に月産100万個が計画されている。