JX日鉱日石エネルギー、集合住宅における太陽光発電を用いた「創エネ+リノベーション」の実証試験

 JX日鉱日石エネルギーは、今年6月から、横浜市において、既設の集合住宅に、リノベーションを施すと同時に、3電池(家庭用燃料電池エネファーム(SOFC型)、太陽光発電、蓄電池)などからなる自立・分散型エネルギーシステムを設置した「ENEOS創エネリノベーション」の実証試験を開始すると発表した。

 同実証試験は、同社が株式会社東芝三井不動産レジデンシャル株式会社とともに共同参加している、経済産業省「次世代エネルギー・社会システム実証事業」のひとつである「横浜市スマートシティプロジェクト」の一環として実施される。
 同社は、この実証をこれからのエネルギーのあり方として期待される自立・分散型エネルギーと、新築に比べ建設に関わるCO2排出量削減が可能となるリノベーションを組合せた、新たなスタイル「創エネリノベーション」の提案として位置づけている。

 今回の実証実験場所には、築40年近くを経た横浜市磯子区の当社社宅(汐見台アパート、全16戸)が選定され、そのリノベーションに合わせて3電池などを導入する。6台設置するエネファームは、当該16世帯におけるベースの電源および熱源(貯湯・給湯設備)として24時間定格運転し、エネファームおよび太陽光発電の余剰電力は、蓄電池に充電し夕方・夜間に使うとともに、ヒートポンプ式給湯機によって熱(温水)に変換して利用される。
また、東芝が開発したエネルギーマネジメントシステムにより、各家庭における省エネ、集合住宅全体での効率的なエネルギー利用などを促進する。
これらの運用により、エネルギーの地産地消を最大限行い、電力自給率80%、電気とお湯の使用に伴うCO2排出量50%削減を目指すとともに、3電池の連携により、系統停電時にも一定の電力・熱の供給を可能とする自立機能の検証も行われる。