大和ハウス、太陽光発電システム816kW搭載の環境配慮型新工場を稼働

 大和ハウス工業株式会社は、2012年7月11日より、岡山県赤磐市の岡山工場内に第二工場を稼動させると発表した。

 新設した同工場は、香川県三豊市の四国配送センターの機能を移管し、経営の効率化を図るとともに、「マザー工場」としての機能強化も図られている。また、大和ハウスグループ大和物流株式会社の配送センターとしても利用される。

 同工場では、東日本大震災後の電力供給不足への対応と省エネ・低炭素社会の実現を見据え、太陽光発電システムによる再生可能エネルギーの全量買い取り制度を利用した売電事業にも取り組む。

 2012年7月より着工、9月末に竣工、10月より売電を開始する予定で、発電事業期間は、国による電力固定買い取り期間の20年が予定されている。

 同工場の屋根上(約2万㎡)に、発電容量816 kWの太陽光発電パネルを3,836枚敷設し、日中発電した全電力を中国電力株式会社へ売電する予定となっており、発電電力量は、年間約81万kWhを予定している。
 家庭の一世帯あたりの全消費電力量を4,734kWh/年とした場合、約170世帯分の電力量に相当し、太陽光発電事業の年間売電売上は約3,000万円を見込んでいる。

 今回、同発電施設には国内外の太陽光発電パネルメーカー4社の最新パネルを導入し、発電効率やメンテナンス体制、経年劣化等の評価・検証もあわせて行われる。

 単結晶型のパネルとしてLGエレクトロニクス製(約207 kW:812枚)を、多結晶型のパネルとしてシャープ製(約202 kW:840枚)、サンテックパワー製(約205 kW:840枚)を、薄膜型のパネルとしてソーラーフロンティア製(約202 kW:1,344枚)を導入し、各メーカーの発電効率や発電量を計測する。
 また、架台の施工金具については、3種類の材質(溶融亜鉛メッキ、高耐食溶融めっき鋼板ZAM、ステンレス)を採用し、それぞれの耐久性や長期安全性が検証される。

 さらに、太陽光発電パネルを設置することによる工場内の遮熱効果を検証するため、屋内外16ヵ所に温度計を設置し、屋根面と工場内の温度比較も実施する。

 今後、同社グループでは評価・検証から得られたデータをもとに、メガソーラーを検討している自治体や各企業に現場調査から機器選定まで、一貫管理体制による提案を行い、また、太陽光パネルを支える架台の生産を行うとともに、購買面では戸建住宅や賃貸住宅用の太陽光発電システムの集中購買によるスケールメリットを活かした調達を行う予定とのこと。