日比谷総合設備、太陽光ハイブリッドシステムの実証試験を開始

 日比谷総合設備株式会社は、株式会社NTTファシリティーズと共同で、太陽光発電技術と太陽熱利用技術を組み合わせた太陽光ハイブリッドシステムの実証試験を開始すると発表した。

 再生可能エネルギーである太陽光発電システムと太陽熱利用システムは、地球温暖化対策の手段として期待されており、日比谷総合設備は太陽熱利用システムについて、千葉県野田市日比谷総合設備技術研究所において研究開発を進めるとともに、国立市のくにたち中央図書館など多くの導入に取り組んできている。
 一方、NTTファシリティーズは太陽光発電システムについて、NEDO実証研究やFソーラーリサーチパークにて研究開発を進めるとともに、これまでに全国で910箇所、34MWを超える太陽光発電を構築してきた。
 今回、両社の得意とする技術を融合した太陽光ハイブリッドシステムを新たに開発・実証することにより、再生可能エネルギーの更なる発展と普及への貢献を目指す。

 今回実証実験に使用される太陽光ハイブリッドシステムは、太陽電池パネルの裏面に熱取得モジュールを搭載したハイブリッドパネルにより、太陽エネルギーを電気と熱に変換することが可能なシステムであり、これにより以下の効果が期待できる。

 ①太陽エネルギー総合変換効率の向上 (目標値40%)
 ②太陽電池の温度上昇による発電損失の低減
 ③電気と給湯の需要に対応可能 (将来的には冷熱・温熱による空調利用も検討)

 実証試験設備として、千葉県野田市日比谷総合設備技術研究所に定格発電出力が約2.4kWの太陽光ハイブリッドシステムと、比較用として通常の太陽光発電システムを同容量で構築し、2012年7月より本格運転を開始する。

 本格運転後は、太陽光ハイブリッドシステムの発電能力や給湯能力を定量化するとともに、太陽エネルギーの総合変換効率、コスト、熱利用方法などについて総合的に評価する。特に夏季においては取得熱量の増加と、熱の吸収による太陽電池の温度損失の低減が期待できる。
 現時点の試算では総合変換効率は40%であり、単純回収年数は10年以下を目標としている。

 また、同実証試験の結果を基に、今年度末から来年度上旬にかけて商品化を目指しており、ターゲットとしては電気と熱の需要があるヘルスケア領域(介護施設、病院)、飲食店領域(郊外店舗)の顧客を想定しているとのこと。