東邦ガス、全国初の賃貸集合住宅でのスマートエネルギーハウス実証試験を開始

 東邦ガス株式会社は、一般向けの賃貸集合住宅としては全国で初めて、スマートエネルギーハウス実証試験を今年8月から開始すると発表した。

 同実証試験では、岐阜県岐阜市内に新たに建設した集合住宅(2階建て、4戸×2棟の計8戸)に、2種類の家庭用燃料電池(SOFC・PEFC)、太陽電池、蓄電池の3電池を設置し、これらを棟全体(棟内全戸)で共有する。
 発電効率の高いSOFCは、定格で継続的に運転させることで棟全体の電力需要のベース部分を賄い、電力需要が変動する部分はPEFCで賄う仕組みとするなど、家庭用燃料電池太陽電池から創られる熱・電気を住棟内で融通し、無駄なく最大限に活用する。
 これにより集合住宅全体での省エネ・省CO2を目指し、同等の標準的な集合住宅と比較して約5割の省エネ向上とCO2削減を見込んでいる。
 また、電源セキュリティの面から、蓄電池は燃料電池太陽電池と組合せ、停電時に電力供給が可能なシステムとしている。

 同社は、2011年7月から同実証試験に関するエネルギーシステムの検討・設計を進め、2012年3月から積水ハウス株式会社の協力を得て建物の設計、工事を行なっており、今回工事が完了した。
 実証試験は8月1日からの入居に合わせて開始し、エネルギー供給方式の有効性の確認や課題の抽出を約3年間の計画で行なう予定となっている。