TDK、太陽光発電用インバータ向けフィルムコンデンサのラインアップを拡充

 TDK株式会社は、EPCOSブランドのMKP型フィルムコンデンサ高密度シリーズに、新たに2種類の製品ラインアップを拡充したと発表した。

 新製品は、DCリンク回路用フィルムコンデンサB32774〜 B32778シリーズに、新たに定格電圧575 V DC および 900 V DCの2タイプを追加したもので、これにより、同シリーズに、定格電圧450 V DC、 575 V DC(新)、800 V DC、900 V DC(新)、1,100 V DCおよび1,300 V DCの各タイプが揃った。

 コンデンサの静電容量は1.0 μF〜110 μF、最大動作温度は105 °Cで設計され、2.0 mΩ未満というESR値の低さにより、70 °C、10 kHzの条件で最大20 ARMSの許容電流値を実現し、また、20万時間におよぶ動作時間を通して、静電容量の変化率は最小に抑えられている。MKP型コンデンサは、セルフヒーリング(自己回復)機能を有しており、ピーク電圧や過電圧の場合でも、故障のリスクを大幅に減らすことが可能。

 今回、新たな定格電圧が追加されたことで、回路の設計が、より柔軟にできるようになり、最小サイズの部品を用いてより正確に仕様と適合させることができ、信頼性を損なうことなくコストを抑えることも可能となる。

 MKP型高密度シリーズは、その優れた電気特性 により、DCリンク回路や電力コンバータのDCフィルタリング機能での使用に適しており、また、長寿命を活かして、信頼性が強く求められる アプリケーションにも使用可能。
 用途例としては、太陽光発電用インバータやX線撮影装置、LED街路灯、電磁調理器、充電装置等の産業機器用電源が挙げられる。

 これらのコンデンサは、リードピッチ27.5 mm〜52.5 mmでPCB実装が可能で、また、従来の2ピン設計に加えて、揺れや衝撃に対して高い機械的安定性を備えている4ピン設計もあり、車載用電子部品にも使用できる。

 新製品の主な特長と利点は以下の通り。

 ・450 V DC 〜1,300 V DCの幅広い定格電圧
 ・2.0 mΩ未満の低ESR値
 ・最大20 ARMSの高い許容電流値
 ・20万時間の長寿命
 ・高い機械的安定性を備えた4ピン設計が可能