住友電工、集光型太陽光発電装置を備えたメガワット級大規模蓄発電システムの実証運転を開始

 住友電気工業株式会社は、同社横浜製作所において建設を進めてきた、世界最大規模のレドックスフロー電池と国内最大規模の集光型太陽光発電装置(CPV)等から構成されるメガワット級大規模蓄発電システムがこのほど完成し、7月24日より実証運転を開始したと発表した。

 同システムの開発に当たっては、日新電機株式会社、住友電設株式会社、および株式会社明電舎とそれぞれと連携して推進してきた。
 同システムは、夜間電力や太陽光発電電力を貯蔵するレドックスフロー電池(容量1MW×5時間)と再生可能エネルギー源としてのCPV(28基、最大発電量200kW)、から構成され、外部の商用電力系統とも連系する。また、同システムのCPV発電量、レドックスフロー電池の蓄電量および消費量は、エネルギーマネージメントシステム(EMS)によって監視され、計測データはEMSサーバで一括管理される。

 今回の実証運転の内容と狙いは以下の通り。

(1)
 横浜製作所におけるピークカット運用(最大1MWのデマンド抑制)を行い、これにより、国内で喫緊の課題である電力不足問題の軽減に貢献する。

(2)
 天候に左右される太陽光発電レドックスフロー電池と組み合わせ、計画的な発電を行い、これにより、太陽光発電の価値を高め、導入を促進する。

(3)
 あらかじめ設定したデマンドスケジュールとなるよう電力負荷に応じた放電量を調整し、電力消費のレベルを安定化させることで、必要な発電所の規模を低減する。

(4)
 太陽光発電の激しい出力変動をレドックスフロー電池の充放電で補償することで、出力を平滑化し、これにより、火力発電所の調整負荷が軽減され、系統へ連系できる太陽光発電の規模が拡大する。

また、レドックスフロー電池とCPVに既設のガスエンジン発電機を組み合わせて、横浜製作所全体の電気エネルギーの最適運転を行うFEMS(ファクトリーエネルギーマネージメントシステム)の実証も開始する。同実証は、経済産業省平成24年度次世代エネルギー・社会システム実証事業」として、「横浜スマートシティプロジェクト」の中で株式会社明電舎と共同で行う。
 FEMS実証は、同プロジェクトでは初めてのこととのこと。